夏に多い感染症と予防策
感染症がおこる原因となるものには、ノロウイルスなどのウイルスによるものと、腸管出血性大腸菌などの細菌によるものとがあります。感染症にはさまざまな種類があり、特に、夏に心配されるのは、いわゆる『夏風邪』といわれる手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナなどがあります。主に子どもがかかり、インフルエンザなど、冬に涜行することの多い感染症と遠い、咳や鼻水などの症状が少ないのが特徴です。
こうした感染症は、対症療法によりほとんどが一定期間で治まり、重症化することはまれです。
また子どもから大人まで、誰もがかかる可能性があるものとしては、『食中毒』があります。夏は特に細菌性のものが多くなる傾向があります。
感染症を予防するためには、まずは、手洗いとうがいをしっかりとすることが一番です。
正しく知って適切な対応を
適切な予防をすることで、感染症の発生やまん延を防ぐことができる可能性が高まります。
もし自分や家族がかかったとしても、必要な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐだけでなく、他の人への感染を防ぐこともできるので、早めの処置が大切です。普段と違う症状がでたら、早めに医療機関を受診することを心掛けてほしいです。
主な「子どもの夏風邪」
手足口病
エンテロウイルスなどの感染により発症する
- 潜伏期間:3〜5 日間
- 主な症状:口の中や手足などに小さな水ぶくれができる
- 咳をしたときの飛沫や、使などから感染する
- 症状がなくなってから2日間は外出できない
咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルスの感染により発症する
- 潜伏期間:5~7日間
- 発熱(38〜39度)、喉の痛み、結膜炎など
- プールで感染することもあるため、「プール熱」とも呼ばれる
- 6月頃から流行し始め、7、8月に最多となる
- 症状がなくなってから2日間は外出できない
ヘルパンギーナ~ ,
コクサツキーウイルスなどの感染により発症する
- 潜伏期間:2〜4日間
- 発熱(38〜40度)、喉の痛み食欲不振、全身のだるさ、頭痛など
- 1~4歳くらいまでの乳幼児がかかりやすい
- 咳をしたときの飛沫や、便などから感染する
「食中毒」…腸管出血性大腸菌感染症(O157など)
カンピロバクター菌、サルモネラ属菌、病原性大腸菌などの細菌が原因でおこる胃腸炎、感染性胃腸炎や腸管出血性大腸菌感染症など
- 潜伏期間:数時間から数日(細菌の種類によって異なる)
- 主な症状:発熱、下痢、腹痛、血便など
- 乳幼児や高齢者が感染すると、重症化する場合もある
- 家族や集団生活の中で感染が拡大することがある
- 他の人への感染を防ぐため、症状のある人は、トイレの後はせっけんでしっかり手を洗い、入浴はできるだけ避けて、シャワーやかけ湯を使う
- 症状のある人の下着は、塩素系漂白剤で消毒(漬け置き)してから家族のものとは別に洗濯する