赤ちゃんの嘔吐下痢症
どんな病気
ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどが原因のうつる病気です。患者さんのうんちや呕吐物、咳や鼻水から感染します。
突然吐き始め、続いて水っぽいうんちや、酸っぱいニオイのする下痢便になります。咳や鼻水などの風邪症状から始まったり、発熱することもあります。発熱や嘔吐は1〜2日で治まることが多く、下痢は1週間くらいでよくなります。
中には吐き続けて脱水症状になってグッタリしたりけいれんを起こしたりすることもあります。
治療
特効薬はありません。整腸剤や吐き気を止める薬などを処方します。一般的には1週間程で回復しますが、重い脱水症になると点滴治療をします。
吐く時の手当て
① 顔を横に向かせるなどして、吐いた物が気管に入らないようにします。
② 吐いたニオイで続けて吐くこともありますから、衣類、寝具はできれば取り替え、皮膚はよく拭き取ってください。
③ 吐き気が強い間は何も飲ませません。
④ 少なくても30分は様子をみて、吐き気が落ちついてきたら水分を少しずつ飲ませます(たとえば、オーエスワン、アクアライトORSなどのイオン飲料を20〜30mlを10分おきに2〜3回与え、次に吐き気がおさまっていれば50mlくらいを与え、徐々に量を増やします)。水分と塩分の補給が大切です。スポーツドリンクは塩分が少ないのでおすすめしません。
⑤ お茶や水は塩分を含まないので、あまりたくさん飲むとぐったりすることがあります。
⑥ 呕吐を繰り返しているときは、処方されていれば吐き気止めの座薬を使い、1時間くらい水分をとるのをやめると落ちつくことが多いです。
下痢のときの飲み物・食べ物
① 水分を多く飲むから水っぽい便になるのではありません。下痢で失なわれた水分と塩分を補う必要があります。
② 母乳については、吐き気がおさまって飲めるようになれば、そのまま続けましょう。
③ ミルクについては、薄める必要はありません。飲めるようならしっかり飲ませてください。
④ 離乳食については、吐き気がおさまって食べられるようになれば、これまで通りの離乳食を続けて、下痢で失われた栄養を補います。うどん、豆腐、白身魚、鶏のささみなどがいいでしょう。
予防接種
ロタウイルスが呕吐下痢症の原因で最も多く、最も重症化しやすいと言われています。このロタウイルスは予防接種で重症化を防げます。