細気管支炎
細気管支ってどこ?
気管支は枝分かれしながら、どんどん細くなっていきます。その最も細くなった部分を細気管支と言います。細気管支の先端にぶどうの房のような肺胞があります。肺胞は酸素を体に取り入れ、二酸化炭素を出す働きをしています。
どんな病気?
この細気管支が炎症を起こす病気が細気管支炎です。2才以下、中でも生後6か月までの赤ちゃんが多くかかります。
熱、咳、鼻水、鼻づまりなどの、かぜ症状で始まります。しだいに、咳と痰が増え、息を吐くときに「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」、「ゴロゴロ」とのどや胸が鳴って苦しくなります。
時には、呼吸困難を起こすこともあります。呼吸困難を起こしていると、唇や顔の色が悪くなり、不機嫌で食欲もなくなります。
熱は微熱や、出ないこともあります。
月齢が低ければ低いほど細気管支が細いので、痰がたまって呼吸困難を起こし、時には命にかかわることもあります。
原因は
原因のほとんどがかぜなどを起こすウイルスです。特に秋から冬に多いのは、RSウイルス(あまりなじみのない名前ですが)による細気管支炎です。このRSウイルスによる細気管支炎は、日本でも年間2万人前後の入院患者がいると推定されています。RSウイルスかどうかは、病院では検査キットを使って調べ、15分ぐらいで結果がわかります。
治療
- 病院では、まず吸入器を使って、気管支を広げる薬を吸入することが多いです。呼吸の様子がそれほど悪くないようなら、炎症を抑える薬のほか、気管支を広げる薬を飲み、自宅で静かに過ごしてください。
- 呼吸困難が強いときや月齢の低い赤ちゃんは、入院が必要なことがあります。
家庭で気をつけること
- 水分を十分に与えましょう。咳き込むときは、少しずつ何回かに分けて飲ませてあげましょう。
- 飲んだ量やおしっこの回数などをメモしておいてください。
- 痰の切れをよくするために、加湿器を使ったり、室内に洗濯物を干すなどして部屋が乾燥しすぎないように工夫しましょう。
- 咳込んだときはだっこをしてあげたり、上体を起こして背中をさすってあげると、少しはラクになるようです。
- 鼻がつまっているときは、綿棒で掃除したり、鼻水を吸い取ってあげてください。
こんなときはもう一度診察を
- ゼイゼイ、ヒューヒューの音が強くて息苦しそう
- 胸やお腹をペコペコさせている。
- 顔や唇が青いとき。
- 水分をあまり飲まないとき。
すぐに主治医の先生に連絡しましょう。また、夜に悪化した場合は、どうすればいいか、あらかじめ聞いておいて下さい。
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