嘔吐について
嘔吐下痢症は、正式には「急性胃腸炎」といいます。嘔吐、下痢、発熱が主な症状で、ウイルスの感染で起こります。普通は数日で治りますが、嘔吐が強い時は脱水症になり点滴が必要な時もあります。症状が長引いたり、ぐったりしたり、血便が出る時は、細菌性胃腸炎を起こしていることもあります。
1)赤ちゃんの吐きやすさについて
赤ちゃんの胃がトックリの形をしているのは御存知ですか。その上、胃の入口(噴門といいます。)の締まりが悪いのです。そのため生後3カ月までは、どの赤ちゃんもとても吐きやすい状態がつづきます。まったく正常な赤ちゃんでも噴水のように吐くことがあります。幽門狭窄症という病気もありますが、吐いても元気で、体重の増加が良い時は心配ありません。1歳位までにはどの赤ちゃんも吐かなくなってきます。でも、体のしくみが吐きやすくできているので『発熱・咳のひどい時・激しく泣いた時・怒った時・疲れた時』など具合が悪いとよく吐きます。こういう場合は、少しおちつくと水分はとれる状態ですのであわてることはありません。
すぐに病院にかかるほうがよい嘔吐
- 頭を打った後、続けて吐くようになる。(脳内に異常がある場合もある。)
- 顔色が悪く、激しく泣いたり泣き止んだりをくり返して突発的に吐き、血便も出る。 (腸重積症の可能性もある。)
- ふだんから鼡径ヘルニアがあり、そこが腫れて吐いている。 (ヘルニアのかんとんということもある。)
- 高熱からケイレンになり吐いている。(髄膜炎や脳炎の可能性もある。)
吐く時の手当てはどうしたらよいでしょう
- 顔を横に向かせるなどして、吐いた物が気管に入らないようにする。
- 吐いたニオイで続けて吐くこともあるので、衣類、寝具はできれば取り替え、皮膚はよく拭き取る。(赤ちゃんの場合は、首のくびれもていねいに拭き、枕や、えりはバスタオルをかけると洗いやすい。)
- 吐いた後、大きい子ならうがいをさせ、冷たい水を20cc位(おちょこ一杯)飲ませてもよい。冷たい方が制吐作用がある。
- 少なくても30分は様子をみてイオン 飲料や麦茶を50cc位与える。それ以上飲みたがる時は氷をなめさせる。
- 吐き続ける場合は、備えてある吐き気止めの坐薬を使う。
- 水分と電解質の補給を第一に考え、無理に食べ物は与えない。
- 水分を吐かないようになったら、消化のよい物を少量から始める。
吐き気がある時注意する食物と、適した食物
できれば避ける品
- 牛乳、柑橘類のジュース、ヨーグルト
- 脂っこい食品、刺激物(カレーなど)
適した食物
- おかゆ、次にうどん
- りんごと野菜(にんじん、白菜、大根、 玉ねぎ、じゃがいもなど)
- 豆腐、白身魚